こんにちは、歯科医師の小竹です。

前回に引き続き歯周病のお話です。

歯周病は様々な病気に

関わっていることがわかってきました。

心臓や脳の血管などから

お口の中の菌が発見されたりと、

歯周病はお口の中だけでなく

全身的な病気に関わっている

可能性があるということです。



今日、歯周病と関わりがあると

言われている病気は

以下のようなものになります。

 

糖尿病

糖尿病にかかっている人は

歯周病が多いという調査結果が

報告されています。

このようなことから歯周病は

糖尿病の合併症の1つに挙げられています。

しかしながら、最近の研究で

徹底した歯周治療を行うことにより

血糖値が改善されることがわかってきました。

このようなことから、

糖尿病と歯周病の治療のために、

医科と歯科の連携が行われるようになってきました。

 

呼吸器疾患

嚥下障害(ものを飲み込む時の障害)があると、

口の中の細菌が誤って気管に入り、

肺炎が引き起こされることがあります。

このようにして起きる肺炎を

誤嚥性肺炎(嚥下性肺炎)と呼びます。

特に、高齢者では物を飲み込む際の

反射(嚥下反射)が衰えてくるため、

誤嚥性肺炎を引き起こす

危険性が高いことがわかっています。

肺炎は、国民の死亡率の第3位になっています。

しかし、誤嚥性肺炎は寝たきりの方に

従来の口腔ケアを行うと

40〜50%低下すると言われています。

 

早産や低体重児出産

歯周病にかかっている妊婦では

歯周病の毒素により、

異常に子宮が収縮されるため

「早産」や「低体重児出産」

の危険性が高いと言われています。

ある研究では、

早産や低体重児出産は

7倍に跳ね上がるとも言われているものもあります。

アルコールよりも高いのは驚きです。

 

心疾患

歯周病にかかっている人では

「冠状動脈疾患」などの心臓血管疾患になる

危険性が高いことがわかってきています。

 

 

脳血管疾患

歯周病にかかっている人では

「脳卒中」などの脳血管疾患になる

危険性が高いことがわかってきています。

 

他にも、関節リウマチや糸球体腎炎など

様々な臓器で歯周病の菌が働いて

病気が起きる可能性があると言われています。