こんにちは、歯科医師の小竹です。
皆さまエナメル質形成不全症とは
ご存知でしょうか?
エナメル質形成不全症とは
その名の通り、
歯の表層にあるエナメル質が
不完全な状態で形成され
粗造な状態で茶色く、もしくは白っぽく
見えたりすることがあります
ものによってはエナメル質が
欠損してしまったりすることもあります
全身的なエナメル質形成不全症の
原因としては
妊娠中の栄養不足や
特定の抗生物質などの薬剤の服用、
風疹などによる感染、内分泌異常や
早産など多岐に渡ります
全身的なものは
妊娠中の栄養不足などが原因の場合、
お腹の中にいるときに作られている
乳歯と大人の歯の中切歯、
第1大臼歯で起きる可能性があります
局所的なものの原因としては
ぶつけたり転んだりしてしまって
起こる外傷によるものや
子供の歯がむし歯のままで
根の先で膿んでいることで
その歯の後に生えてくる
大人の歯がなってしまうことが
あります
 
なので、子供の歯だからといって
『いずれ、抜け変わるから!!』と
むし歯を放っておくのは良くないことです
 
その他の原因としては
そもそも遺伝的に起こりやすいと
いったこともあります
 
エナメル質形成不全症は
富山大学と日本小児歯科学会の共同で
行われたデータでは
形成不全の範囲の大小はありますが
割合として5人に1人というもので
決して珍しい疾患ではありません
エナメル質形成不全症になると
・むし歯ではないが
    茶色や白っぽくなっており
    見た目が悪く見えることがある
 
・表面が粗造になり
    ボソボソであるため
    プラークが溜まりやすく
    むし歯になりやすい
 
・むし歯になってしまうと
    エナメル質が脆いため
    通常のむし歯よりも
    むし歯の進行が早い
 
・歯が削れやすく
   破折などの原因になりやすい
   それに伴い知覚過敏を
   引き起こすことがある
 
といったことが起きてしまいます
 
そこでエナメル質形成不全症は
むし歯にならないように
フッ素などによって歯を強くすることや
むし歯になっても重篤化を防ぐために
定期的な管理と
徹底的なブラッシングが必要となります
保護者の方は一度お子さんのお口の中を
ご覧頂き異常に気づかれたら
すぐ歯科医院へ受診してください