こんにちは、歯科医師の小竹です。
生体内で一番硬い場所はどこか
知っていますか?
 
 
 
 
 
 
 
 
・・・・・・・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
・・・それは『歯』です
 
歯の中でも
一番表層にある『エナメル質』が
生体内で一番硬い物質です
 
その硬さは水晶に匹敵するとされています
けれども
水晶じゃ、あまりピンときませんよね…
学生の頃、むしろ水晶って
意外と硬いんだと驚きました
 
これはどのようなことから
言われてるかというと
『モース硬度』という物の硬さを
1〜10の10段階に分けてはかる単位で
歯のエナメル質は7〜8と言われているからです
 
このモース硬度で分類すると
硬いイメージのある鉄は硬度4
生体内でいうと骨で硬度が5前後と
意外と歯より硬くないのです
 
これで歯は硬いということが
お分りいただけたと思います
 
ですから歯のエナメル質を削る時には
これより硬いものを使用して
削っていく必要があります
 
そこで使うのは『ダイヤモンド』です
バーの先端にダイヤモンドの粒子を
つけたもので歯を削っているのです
ちなみにダイヤモンドのモース硬度は10で
最も硬い分類に入ります
それだけ硬い歯でも
鉄が水分や酸素で錆びてしまうように
むし歯菌が産生する『酸』によって
穴があいてしまいます
これがむし歯です
 
また
生えたての歯やむし歯になりかけている歯は
むし歯菌の出す『酸』によって
容易にむし歯になりやすい状態です
 
フッ素等で予防したり、
適切なブラッシングを行うことで
生えたての歯はむし歯になるのを防いだり
初期のむし歯の段階だと場合によっては
元に戻る場合もあります
色々なところに菌は存在しますが
こんな硬くツルツルした歯を
ターゲットにして
ブラッシングなどの機械的な刺激でしか
落とせないように成長したむし歯菌は
凄いなーと改めて思います
 
生命の神秘ですね