親知らず(智歯)は、最前方の前歯から数えて一番奥に位置する8番目の歯です。永久歯は通常15歳前後に生え揃いますが、親知らずは10代後半から20代に遅れて生えてきます。親に知られることなく遅れて生えてくる歯であることが、「親知らず」と呼ばれています。
歯が遅れて生えてくるので、顎に歯が生えるためのスペースがないと、まっすぐではなく歯が斜めに生えてきてしまったり、歯が埋もれたままになってしまう可能性もあります。また綺麗に生えてこないことから、歯をしっかりと磨くことができないことが多くみられます。
・実は怖い? 親知らずの痛み
親知らずの注意点ですが、埋もれた歯や斜めになっている歯と歯茎の間に汚れが溜まって、炎症が起こり、腫れて痛みが出る場合があります。親知らずの歯の痛みは、ピークをすぎると緩和されます。しかし、治ったわけではなく、そのまま放置しておくと、親知らずのひとつ手前の歯まで虫歯になったり、噛み合わせがずれてしまい顎関節に問題が出てしまったりと後々に問題が出てくる場合があります。そのため、早めに処置をすることをおすすめいたします。
親知らずは必ずしも抜歯しなければいけないというわけではありません。親知らず周辺の腫れ、歯並びの乱れ、顎の違和感などを歯科医師が診察し、今後虫歯や歯周病、顎関節症などのトラブルが起きやすいと総合的に診断し、結果的に抜歯することが望ましい場合に抜歯の処置を行ないます。
・親知らずの抜歯方法
抜歯の際には、始めに麻酔を行ないます。これにより、抜歯施術中に痛みを感じないようにします。施術は親知らずの生え方や歯根の形態など、個々の状況によって異なりますが、施術時間はおおよそ5分~90分ほどです。抜歯後の状況も人によって異なります。抜歯後、全く腫れや痛みなどが起こらない場合もありますし、腫れと痛みが出てくる場合もあります。
腫れる場合は、抜歯の翌日から3、4日目がピークとなり、それ以降は腫れや痛みが引いていくのがほとんどです。痛みがあったら、鎮痛剤を処方しますのでご安心ください。通常は、鎮痛剤を1、2回服用すれば痛みはひきます。もし痛みがひどい場合は、2週間ほどの服用が必要な方もいます。
親知らずの治療は、個人差が大きくケースバイケースなので、何か気になる点があったらお気軽にご相談ください。
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