こんにちは、歯科医師の小竹です。
前の前のお話しの
ジョージ・ワシントンの続きで
歴史の話です。
ジョージ・ワシントンは
入れ歯だったとお話しましたが
同じ頃の日本と言えば江戸時代です。
ジョージ・ワシントンの生まれが
1732年代ごろですが
それよりも少し前になります。
徳川家康も入れ歯でした。
歴史書にも書かれているようです。
ただ日本の入れ歯は海外で使うような
鉛にバネというものではなく
木を用いて作っていました。
特に将棋の駒などに用いられる
黄楊(つげ)の木を
使っていたそうです。
黄楊の木は抗菌作用があり、
硬さがある程度あることや
加工しやすいため
扱いやすいようでした。
 
江戸時代の木製入れ歯は
現在の入れ歯の理論に凄く似ていて
粘膜に吸着させるようにして
作るもので
とても機能的なものでした。
 
バネが開かないように
口を閉じてないといけないと
いうことはなかったようです。
 
また木だけでは、奥歯の方は
割れてしまう可能性があったので
中に釘を打ち込んで強度をもたせたり
前歯は見た目のために
石または動物や人の歯を
つけていたそうです。
江戸時代の文化として
タンニンで
歯を黒くするのが
キレイとしていたので
木も黒くしてありますね。
いわゆる、お歯黒と言われる文化です。
 
当時は歯医者という
職業はなかったため
こうした入れ歯を作っていたのは
仏像彫り師の方が
仏像を作る傍らに作っていたそうです。
入れ歯を作るために
蜜蝋を主成分とし、
松ヤニや白蝋、ごま油などを
用いたもので顎の型取りを行い
木製の入れ歯を荒削りし
強く当たるところで傷になる部分は
食紅でマーキングをつけて
調整していたそうです。
 
つまりは、材料は違えど
やってることはほとんど
今の歯科医療と
変わらないことをやってます。
江戸時代凄いですね。