こんにちは歯科医師の小竹です。
今日はフィッシャーシーラントについて
お話します。
フィッシャーは『溝』のことで
シーラントは『埋める』という意味です。
簡単にお話すると
『歯の溝を埋める処置』のことを
フィッシャーシーラントといいます。
なぜそのようなことをするかというと
むし歯になりやすい箇所の一つで
しかも、清掃することができないところも
存在するためです。
 
むし歯の好発部位は
三箇所あります。
それは
①歯の歯茎の境目
②歯と歯との間
③歯の噛む面の溝
です。
 
 
①の歯の歯茎の境目の歯の場所は、
歯ブラシでお掃除できます。
 
②の歯と歯の間は、
歯ブラシでは届かない場所もあるので
フロスや歯間ブラシを併用して
お掃除する必要があります。
 
 
しかし、
③の歯の噛む面の溝のところには
歯ブラシで頑張って磨いたとしても
歯ブラシが届かず、
磨けないところが存在してしまうため
予め、予防として溝を埋めてしまう。
これがフィッシャーシーラントの目的です。
 
特に生えたての大人の歯は
溝が深く、奥歯で見づらく
清掃することが困難であり
尚且つ
歯がまだ弱いため、
むし歯の進行が速いです。
〈生えたての大人の歯〉
 
そういう意味でも
むし歯になる前に予め
予防をすることは
とても大事な治療だと思います
フィッシャーシーラントの流れとしては
①まずは歯の表面に付着した汚れを落とします。
②くっつきやすいように表面にお薬を塗ります
③フィッシャーシーラントの材料を塗ります
④光を当てて終了です
※お薬を塗るときは
唾液などの水分に弱いため
唾を吸う道具やゴムのシートを
かけることもあります
〈フィッシャーシーラント前の歯〉
 
〈フィッシャーシーラント後の歯〉
 
ただし、
『むし歯を予防する』
という目的で行うので
『すでにむし歯になっている歯』に
対しては
『フィッシャーシーラントは不適用』
となります。
 
むし歯になってしまっている場合には
まずは、むし歯を取り除き
その上で詰め物をしていくと
いう流れになります。